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予測はエコノミストの首を絞める

02/8/6

 経済学は自然科学に憧れているが、自然科学の手法の厳密性を取り入れようとはしない。自然科学では、まず自然観察をもとに仮説を立て、次に厳密な実験を繰り返して仮説を検証する。これに対して経済学では、研究室にこもって理屈だけで理論を導き出しており、得てして現実とかけ離れた理論になる

(101頁の一部を引用)


 景気循環に周期があるとする考え方は迷信に近く、占星術や数霊術に似ている。(中略)景気循環論のなかでもコンドラチェフの波はとくに、誤った経済予測の根拠に使われることが多い。 

(106〜107頁の一部を引用)


 経済がなぜ予測できないか、エコノミストの予測の成績がなぜ悪いかは、複雑系の理論で説明できる。しかし、経済学を科学の一分野してみるなら、重要なのはデータである。経済統計は量も少ないうえに誤差が大きい。(中略)たとえば、IMFの「貿易動向統計年鑑」1996年版で1995年の財・サービスの貿易データをみると、香港の対米輸出は378億ドルだが、アメリカの香港からの輸入額は107億ドルとなっている(253%の差)。

(99頁の一部を引用)


 エコノミストとして成功するためには、頻繁に予測を出すこと、そして、成績表をつけないことだ。これは、経済予測が盛んだった1970年代半ばに、私の同僚が企業幹部のグループに、ジョークを込めて提供した助言である。これを聴いた幹部は苦笑いした。経済予測を当てにするすることに危険を感じつつも、民間の大手予測期間の予測に高い価値を認め、高額の会費やコンサルティング料を支払っていたからだ。

 その十年後には、このジョークを聴いても笑う人はいなかっただろう。経済予測は1980年代はじめごろにピークを打ち、それ以降下火になっている。誤った予測にうんざりして、企業は民間予測期間と契約を打ち切り、GE、コダック、IBMなどは社内の経済調査部門を解散した。1990年代には、インテル、マイクロソフトなどの超優良企業で、チーフ・エコノミストを置く必要性を認めているところはほとんどない。小規模な予測会社は廃業に追い込まれ、かつての有力予測期間も権威が低下し規模を縮小しており、生き残るために、事業の比重を予測から経済コンサルティングに移している。

(107〜108頁の一部を引用)

 



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