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「経済予言」はすべて無視する

01/4/1


エコノミストは景気の転換点を予測できない

 シカゴ大学教授のビクター・ザーノウィッツは、1970年〜75年に経済が大きく変化した四つの期間の八つの四半期先までの実質国民総生産(GNP)成長率とインフレ率について、六つの主要経済予測期間(ビッグ・スリー、GE、商務省経済分析局、全米経済予測研究所)の予測がどれだけ外れているかを調べた。それによると、48件の予測のうち46件は景気の転換点を予測できていない。


エコノミストの予測能力を平均すると、当て推量とほぼ同じである。

 ほとんどの経済予測の精度は、来年も今年と同じになるという当て推量とほぼ変わりない。


つねに成績が上位の予測機関はない。

 ある四半期の成績が上位でも、次の四半期に上位になる可能性と、下位になる可能性は五分五分である。ザーノウィッツの調査によれば、「どの指標についても、つねに上位を維持している予測機関はない。・・・予測機関のランキングは指標、時期、対象期間の長さによって違うばかりでなく、評価の基準や方法によっても違ってくる。」


つねに成績が上位の経済学派はない

 これは、ロンドン市立大学教授ロイ・A・バチュラーとコネカット大学教授パミ・デューアの結論である。二人は六つのおもな経済学派について、経済成長率、インフレ率、金利の予測的中率に差があるかを調査した。32の予測機関の成績を調べた結果、学派による予測的中率の差はほとんどないことがわかった。


特定の経済指標について、つねに高い予測能力を実証している予測機関はない。

 特定の指標について、ある四半期の予測的中率が高くても、その後、これに匹敵するような的中率を上げることはない。マクニーズが1983年と93年に行なった二回の調査では、調査対象に同じ予測機関が含まれており、この追跡調査の結果から、各予測機関の成績が不規則なパターンをとっていることがはっきりとわかる。


先進技術を取り入れても経済予測の精度は上がらない。

 1000個以上の方程式を組み込んだ大規模なモデルを使っている予測機関も、わずかな方程式を組み込んだだけの単純なモデルを使っている予測機関と予測精度が変わらない。20年以上前に設立された予測機関であるベンチマークは、わずか3つの方程式を組み込んだモデルを使っているが、精度の点では、1000個の方程式を組み込んだだけのモデルを使っている予測機関と比べて遜色がない。


経済予測の能力が過去30年間に向上しているという証拠はない。

 データのとりようによっては、むしろ予測能力が下がっているとも結論できる。予測能力が大幅に向上しているというエコノミストもいるが、こうした説は根拠となるデータの取り方に問題がある。(中略)エコノミストの予測誤差を単純予測の予測誤差と比較してみると、エコノミストの予測能力がまったく向上していないことがわかる。


「景気循環が存在する」という考えはただの幻想である。

 周期的な景気循環が存在するという考えはただの幻想である。データを見るかぎり、周期的な景気循環を裏付ける証拠はない。たしかに、景気は好況と不況のあいだで変動しているが、図表3-5に示すように、決まった周期があるわけでも規則性があるわけでもない。

 

図表3-5 政府発表によるアメリカ景気転換点の時期と間隔

〜 景気循環に一定の周期はない 〜
 

転換点の時期

転換の方向

転換点の間隔(月数)

1969/12

 
1970/11

11

1973/11

36

1975/3

16

1980/1

58

1980/7

-6

1981/7

12

1982/11

16

1990/7

91

1991/3

-8

 



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