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 ■ 機械的な投資と普通の投資
機械的株式投資法
「低PER銘柄を買う」戦略
「高ROE銘柄を買う」戦略
「高配当利回り銘柄を買う」戦略
「低PBR銘柄を買う」戦略
「低PSR銘柄を買う」戦略
普通の投資
はじめに:20年以上の連続増益
事業の継続性
十分な調査で確度を上げる
経営者を重要ファクターと捉えない
ブランド論(1)
ブランド論(2)
ブランド論(3)
スイッチングコスト
小売・サービス業の事業素質
小売業等分析
資本政策の評価
WindowsとQWERTY配列
企業評価に慣れる
有価証券報告書の読み方
銘柄選択の要諦


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銘柄選択の要諦

 普通の投資をしたい、あなた。以下、私の銘柄選別の基準です(銘柄の具体的な分析については、専用サイトを参照下さい)。
 

 あなたオリジナルの基準もいいかもしれません。が、それは、あなたの限られた知識・経験に基づくものです。大切なお金を、あなたの基準で投資に振り向けるのは危険と思います。それなら機械的に投資したほうがいい、と私は思います。


@継続して利益が上がるビジネスを行っている

 カードビジネス、ドリンク、コンビニ、給与支払い事務代行業・・・。これら業種では、各社の利益は毎期安定しています。一方、ゲーム、半導体装置・・・、などの業種では、各社が計上する利益は不安定です。
 

 私は、 後者のタイプの会社は、投資対象から外したほうがいいと思います。後者のタイプを中心に投資を試みると、相当数の銘柄に投資する必要が生じます。リスク軽減のためです。結果、調査が大変になります。
 

 徹底的な企業調査で、有望なバイオ企業など20社を選別、投資するのもいいでしょう。
 

 ただ、私は、そういう方針は取りません。替わりに、ドリンク業 or 薬品会社を5社ぐらい選別して投資します。そうすれば、調査時間が10分の1ぐらいで済むし、十分なリスク軽減を達成できます。
 

 たとえば、私でも、投資先を1つ選定するのに、5時間とか普通にかかります(場合によりますが)。5銘柄選定では、5×5=25時間です。 25時間の10倍は、250時間。リスキーなビジネスへの投資が、いかに大変かが理解できると思います。
 

 また、難解な事業に投資するのも考えものです。事業理解に調査が何時間必要なのか?それをよく見積もって投資するのがいいと思います。


A事業内容の分析

 たとえば、マイクロソフト(MS)を考えてみましょう。同社は、どうして高収益なのか?それは、ユーザのスイッチングコストが大きいからです。
 

 知識が乏しいと、たとえば、「MSが儲かっているのは、【Microsoft】ブランドのおかげだ」と結論するかもしれません。あるいは、「○×社が儲かっているのは、マクロ経済が・・・」と結論 するかもしれません。誤った答えを出してしまう。
 

 たとえば、世の中には、30年連続増益の会社があったり、100四半期以上連続増益の会社があります。これら会社が連続増益なのには、きちんした原因があります。
 

 同じように、たとえば、ある業界でシェアが逆転した。韓国企業が日本企業を押し退けて業績を伸ばしている。これらにも厳密な理由があります。
 

 要は、会社の連続増益の理由とか、シェアが逆転した理由とかを、事実に則して客観的に考えて欲しい、ということです。要は、「A社が連続増益なのは、経営者が優秀だから」とか、「シェアが逆転したのはマクロ経済が・・・」とか、そういう考えをしないで欲しい。
 

 そういう考えをしないために、まず、勉強することです。具体的には、本サイトの図書コーナーで紹介している書籍類を読んでください。あるいは、私のML読んで下さい。
 

 そうすれば、事業内容の検討が、いかに重要かわかります。変な事業に投資すれば、不幸になるのは、あなたです。


B無借金、あるいは、ほとんど借金していない

 稼いだ利益を、負債の返済に充てる会社は、どうかと思います。というか、借金に頼らなければ、事業が続けられない会社のオーナーになりたいと思いますか?私は、財務的困難を抱えている会社の株式は、生理的に買えません。


 また、もっと単純な理由ですが、稼いだお金を負債の返済に回していたら、事業拡大のための資金が枯渇してしまいます。借入金が少ない会社のほうが良いことは明らかと思います。
 

 ただ、負債を病的に嫌う必要はないです。十分な現金を持っている会社は、負債が多少あっても構わないです。たとえば、クレジット会社は、資産のほとんどが流動資産で す。なので、負債が多くても全く問題ないです。事業内容・資産構成等を考え、財務体質が強固であるかを考えればいいです。


CROE

 売上高利益率(「経常利益 /売上高」とか)なんて見ても意味ありません。薄利でも、たくさん売れれば多額の利益が上がります。売上高利益率が高くても、商品が少ししか売れなかったら、利益総額は低いです。


 それよりも、資本あたりの儲け(ROE)です。というか、これが全てです。どうして、資本あたりの儲けが重要か?それは、面倒クサイ投資をしないためです。


 たとえば、ある銘柄を買った。でも、株価が上がってすぐに割高になったので、売った。そしたら、また、5時間の企業調査(面倒クサイ作業)をする必要があります。(ああ、メンドクセー)


 しかし、継続的に利益が大きく伸びる企業を株式を買えば、株価が上がっても、PERとかは低いままです。たとえば、株価が2倍になっても、利益が2倍になってれば、PERは変わりません。株価が上がっても割安だから、売る必要はありません。つまり、面倒クサイ作業をしなくていい。


 継続的に利益が大きく伸ばすためには、何が最重要か?それは、追加資本自前能力です。


 たとえば、利益を1.2倍にしようと思ったら、原則、会社の資本を1.2倍にしなければなりません。たとえば、100店舗 → 120店舗にする必要があります。資産100億円を、120億円にする必要があります。


 では、追加資本20億円をどこから調達するか?銀行から借りるか、純利益を内部留保するしかありません。


 ただ、銀行から資金を借りているだけでは、危険度が増して、健全とは言えないと思います。理想的には、追加資本を全て自前できるのがいいです。資産100億円の会社が、年間10億円の利益なら、資本利益率10%、20億円なら20%。当然、20%のほうが、追加資本自前能力が高い。 資本利益率x%とは、利益をx%増やすための資本を自前できる、という意味です。


 逆に言えば、資本利益率さえ高ければ、他の指標はどうでもいい。固定資産比率や在庫回転率なんて関係ありません。


 だから、面倒クサイ投資をしたくないなら、追加資本自前能力、言い換えれば、資本利益率(ROE)が高い会社を選んだほうがいいです。


※ただ、ROEの高さが負債に頼った結果であるなら、そのROEには何の意味もないです。これについては、他サイトにも書いてあると思うので、あえて書きません。Googleとかで検索してみて下さい。


C’高資本利益率は、優位の証拠

 少ない資本で多額の利益を上げられる(高い資本利益率)。こんな、おいしいビジネスがあるなら、各社が新規に参入し、やがて、資本利益率は下がるはずです。

 なのに、ある会社は、高い資本利益率を維持している。それは、何かしらの優位を有するからに他なりません。高資本利益率は、優位の証拠です。


(追記1)

 結局のところ、他の指標がどうであれ、資本あたりの利益が全てです。


 よく、固定資産を多く必要とする会社はダメと聞きます。しかし、利益を上げる資産の属性が、会計学上、固定資産に分類されるからといって、何の問題があるのでしょうか?


 少ない資本でどれだけの利益が上げられるかが大事で、資産や資本の属性は問題になり得ません。

 

しかし、固定資産に分類されるものは特定用途にしか使用されないものが多いです。流動資産はその逆です。なので、流動資産を多く保有する会社のほうが、投資対象として好ましいことがあるのは事実です。

 

(余談)

 ここでいう、ROEは、フリーキャッシュフロー(FCF)ベースのROEのことです(FCFについては、このページを参照)。つまり、ROEは一般的に 『純利益÷株主資本』 ですが、ここでのROEは、『FCF÷株主資本』のことです。
 

 もちろん、ROEの分母である株主資本にも訂正が必要です。種々の訂正を行おうとすれば、ROE算出には、かなりの時間がかかるはずです。
 

 一般に、ROEを厳密な数値として表すことは、(株主資本にも純利益にも訂正事項が多過ぎて)ほとんど不可能です。大事なのは、ROEという値を何かの公式に従って導き、それで会社の収益性を捉える ことではなく、次の姿勢で会社の収益性を熟慮する姿勢です。「この会社は、単位株主資本あたり、いったいいくらの利益を上げているのか。100万円の株主資本で年間何万円儲けているのか?」

 大事なのは、ROEという値を何かの公式に従って厳密に導こうとすることではありません。ROEの式の背景にある考え方(「この会社は、100万円の株主資本で年間何万円儲けているか」)をよく理解し、会社の収益性を熟考する姿勢で す。


C十分な拡大余地

 いくら事業内容が良くても、拡大余地がなければ、利益を伸ばすことは無理です。拡大余地があまりない会社の株式でも、価格が十分に割安なら、それはりっぱな投資対象かもしれ ません。しかし、そういう会社の株式は、適正価格になれば即売りです。そしたら、また、5時間の面倒クサイ企業調査です。


 対して、拡大余地が十分あり、売上・利益が安定的に伸びる(と見込まれる)会社については、そのようなことはありません。株価キャッシュフロー倍率やPER等の尺度で割安でなくなったとしても、利益が伸びるわけだから、いずれまた割安にな ります。当然、売る回数が減り、5時間の企業調査をせずに済みます。税金負担も少なくなることが期待されます。
 

 できれば、売上・利益が安定的に推移する確かな見込みがあり、かつ拡大余地が十分にある会社の株式を購入するべきと私は考えます。

 製品の利用者人口、無店舗地帯がどれくらいあるか・・・、等のことを調べ、拡大余地がどれくらいあるのかを見積もるのは、大事と思います。


  「大型株」、「小型株」、というのは、無意味な概念

 よく、次の意見を聞きます。「小型株(株式時価総額が比較的小さい会社の株式、あるいは売上が少ない会社の株式)は、売上・利益を伸ばしやすい。大型株は安定しているが、売上・利益が伸びない 」。しかし、大型株・小型株、というのは、全く無意味な概念です。
 

 たとえば、売上1兆円の会社についても、拡大余地が十分あれば、たとえば、潜在マーケットが、まだ、10兆円あるなら、その会社は、利益を10倍にできる可能性があ ります。逆に、売上30億円の会社について、その会社が属する業界が既に飽和しているなら、利益を伸ばすのは無理です。
 

 売上・時価総額の大小は問題ではありません。その会社の事業に、どれだけ拡大余地があるかである。現在の売上の何倍分だけ、拡大余地があるか が大事です。


D経営者・経営方針

 資本政策が最重要項目であると自分は確信しています。稼いだ利益は、ROEの高い事業に投資しなければ意味がありません。見かけ上はROEが高くとも、それがROEの高い事業とそれが低い事業を営んでいるコングロマリット型企業で、かつ稼いだ利益の大半をROEの低い事業に投資していれば、利益は伸びずらい です。こういう会社は、実質的には、ROEの低い会社と変わりません。
 

 また資本政策以外にも、労使関係、従業員の性格(コスト削減に積極的か等)、等もできれば調べたほうがいいと思います。たしかに、これらは重要ではないかもしれない。しかし、 たとえば、だいたい同じような会社が2社あったとき、経営者に優劣つけて、投資先を絞ってしまってもいいかもしれません。
 

 私は、保守的な経営者(無理に事業を拡大しない)が好みです。


E割安な価格

 いくら良い会社でも、割安な価格(値引き)で買う必要があります。ただ単に値引きされているだけではダメです。大幅値引きでなければダメで す。事業内容、経営方針等の定性的な事柄を重視しすぎて、割高な株式を購入するなら、低PER銘柄を機械的に買って、三年寝てたほうがマシである。


(余談)

 企業分割時や何かの特殊要因時には、割安な価格が実現しやすいです。バフェットがある銘柄に投資しはじめたのは、ほとんどの場合、このようなときで す。企業分割、リストラ、何かの特殊要因・・・、(これらをまとめて『special situation』と呼びましょう)等は注目するに値します。しかし大事なのは、special situation下にある株式は、それがspecial situation下にあるからリターンが高いのではありません。special situation下にある株式は割安なことが多いのでリターンが高いのです。別に、special situation下になくとも大幅に割安なら、りっぱな投資対象です。


 大事なのは、価格の安さです(それをとりまく環境ではなくて)。割安な価格で株式を購入するかしないかで、投資の可否はかなり決まってしまいます


  「長期投資」、「短期投資」、というのは、無意味な概念

 買った株式の価格が、爆騰し、購入後1週間で割安とならなくなったら、即売ればいいです。3年間持ってても、割安なままなら、保有してればいいです。自分の 持ち株が割安かが問題であって、株式を保有する期間の長短は、全く関係ありません。


F分散投資

 会社の事業内容を分析(定性分析)するには、熟練を要します。私は、集中投資(たとえば、3銘柄でポートフォリオの70%以上占めるような投資)は別に否定し ません。そのやり方に合理性があるなら、そういう投資の仕方もありと思います。


 しかし、投資経験が浅い人は、あまり熟練していないと思うので、集中投資は止めたほうがよいと思います。私ですら、5社程度に投資するようにしています。


 

ただ、その人の熟練度や投資銘柄の事業によりますが、10社以上に投資するのは分散し過ぎと思います。

 

Hその他(2)

 一般に見落とされていやすく、かつ重要(と私が思っている)ことをいくつか。自分の思いついた範囲で。参考になればと思います。


・経営者が合理的に資本を配分している

 ほとんどの人は見逃すと思うが、これは非常に大切です。利益の再投資はROEの高い事業にしなければ意味がありません。配当金は極力支払われるべきではな く、多角化は質の高い事業を割安な値段で買うことによってのみ行うべきです。


(捕捉1)

 有価証券報告書のセグメント情報の欄をみれば、従業員(経営者)の本配分を確認できます。有価証券報告書のストックオプションの欄をみれば、従業員が新株連発を 試みていないか調べられます。


(捕捉2)

 「利益の再投資を低ROEの事業に行うのは不合理である。しかし、そのような従業員(経営者)がいるのか?不合理なことをわざわざする従業員がいるのか?資本政策 を見るなど意味があるのか?」という反論が出てきそうです。しかし、ことはそう単純ではありません。


 たとえば、低ROEの事業への再投資は、次の理由かもしれません。
 

  • その会社が属する高ROEの事業が飽和していて拡大余地がない。
  • 低ROEの事業からの撤退を決めると、従業員は職を失う。自分の地位を守るために、
    低ROEの事業に再投資を続ける
  • 従業員の低ROE事業の過大評価


 他にも考えればいろいろ出てきます。
 

 これらのことは、調査もされているようです。詳細は下記文献をご覧下さい。
 

    参考文献:『競争の戦略(M.E.ポーター著)』 12章 衰退業界の競争戦略


・円満な労使関係

 ストライキを頻繁に起こすような会社(そんな会社はほとんどないですが)の利益は、いつ大幅に減るかわからない。


・従業員(経営者)が犯罪をしている

 ストックオプション乱発、過大な従業員(役員)報酬、従業員が株主のことを考えないで会社運営をしている。こういう会社 への投資は慎重になったほうがいいかもしれません。


・無配当、あるいは、ほとんど配当をしていない

 配当すれば、税金が引かれます。大きなマイナスです。それよりも、稼いだ利益は全額、資本効率の高い事業へ再投資するべきです。私は、無配当の会社が好きだし、配当利回りの高い会社は、有望な投資先がないので、利益を配当しているダメ会社と思ってしま います。


 一般的には、配当利回りの高い会社は良い会社だと思われているようです。ただ、配当利回りの高い会社を評価する人は、目先の利益しか考えていないのと思います。 繰り返しですが、配当すれば、20%ぐらいの税金が引かれます。それよりも、資本利益率(単位資本あたりの利益額)の高い事業へ再投資したほうがいいです。
 

 無配当の会社が一番いいに決まっています。


 



 
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