有価証券報告書の読み方
2004/5/4
有価証券報告書(有報)は、貴重な情報源と思います。しかし、これらを頭から読むと日が暮れます。私が有報を読むのにかかる時間は、長くとも30分程度です。読むべき箇所、順番は決まっています。
まず、最初に読むのは、事業内容です。ここを読んで、会社の事業に継続性がない(継続的に利益が上がらない)と判断したら、もう読みません。
次に読むのが過去の業績の推移です。毎期の売上・利益が安定しているかをチェックします。安定していないなら、その理由を調べます。理由がたとえば、何かの特殊要因なら良しとします。しかし、事業の特質によるものなら、投資を諦めます。
次に資本政策を読みます。具体的には、内部留保の使い方です。内部留保を投資効率の高い(ROEの高い)事業に再投資しているか、今後もROEの高い事業に再投資を続けるかをチェックします。たとえば、事業概況の項で、「今後も現在行っている事業(この事業は、資本効率が高いとします)に注力する」と書かれていたら、資本政策は問題無さそうと判断します。逆に、「今後は、新規事業を積極的に開拓していく」と書かれていたら、(基本的に)アウトです(ただ、その新規事業が資本効率高いなら、アウトでありません)。
資本政策がダメな会社の株式は、他がよほど魅力的でないかぎり(たとえば、現金500億円持ってるのに、株式時価総額200億円とか)購入しません。
その次は、財務諸表を読み、財務の健全性や資本効率の高さを調査します。保有現金、保有有価証券も調べます。
(余談)同業者の調査について 07/3/27
ここまでやったら、あとは、その他資料を調べ、会社の事業内容をさらに調査します。さらにいうと、バフェット氏は、同業者の有報に準ずるものも読むそうです。私は、以前までは同業者の有報を意識して読みませんでした。しかし、最近はなるべく読むこと(同業者の調査)を心掛けています。
同業者を調査すると、事業上の重要な要因が顕在化することがあります。たとえば、同業者のA社は、企画・マーケティングに特化しており、、他社よりも優位に事業を進めているとします。すると、この事業では企画やマーケティングが重要と推測できるかもしれません。推測したことを中心に調査を進めると、重要な要因をより正確に素早く知れる場合が多いです。
(余談)事業の多角化について
事業の多角化は、それ事態は悪いことではないです。問題は、内部留保を資本効率(単位資本あたり利益額)の低い事業に再投資することです(資本効率の高い事業に多角化するのなら、私は喜んで投資します)。
ただ、多角化を図る会社は、無理な事業拡大を行っていることが多いです。典型的なパターンとして、自社の主事業の拡大余地の無さから無理な多角化に走ることが挙げられそうです(調査資料・文献を調べれば、同様の記述があると思います)。
多角化がダメなのではなく、多角化先の資本効率が問題です。多角化先の事業の資本効率に問題があるなら、その会社への投資は止めたほうがよいと思います。
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