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小売業等分析 2002/12/9 自社の(小売業等の)店舗を他社のそれと差別化すれば、他社と大した競争もせず、独占的に利益を挙げることができるだろう。このような独占的に利益を上げることができる店舗を持つ会社は、投資対象として魅力的である(と私は思う)。自社の店舗を他社と差別化する要因には、様々なものがあると思うが、それらいつくかを以下に挙げたいと思う。参考にして、ちょうだい。 @商品の価格 自社店舗で売る商品の価格を、他社店舗で売られている商品のそれよりも低くすることができれば、客は自社店舗にしかこなくなり、より独占的に利益を上げることができるだろう。商品を廉価で販売するためには、商品を安く仕入れる必要がある。商品を安く仕入れる方法には、商品の購入点数を多くし、商品供給元に対して強い交渉力を持つなどのものがあると思う。たとえば(あまり詳しく調べていないので偉そうなことは言えないが)、家電量販店最大手のヤマダ電機などは、一度に大量の家電製品を仕入れ、家電の仕入れ値を低く抑え、どの社よりも安く家電を販売し、業界一の業績を上げている。ウォールマートなどもこの例なんでないかと思う。 A立地 自社店舗の立地が他社店舗のそれよりも良ければ、より独占的に利益を上げることができるだろう。たとえば、セブン・イレブンはコンビニ業界で最も高収益だが、これの一因には、セブン・イレブンがコンビニ業をどの社よりも早く始め、他社に先駆けて好立地に店舗をどんどん出店し、他社が好立地に店舗を出せなくなってしまったことがあると言われている。 B品揃え 自社店舗の品揃えが他社店舗のそれよりも良ければ、消費者は自社店舗にしかこなくなるだろう。品揃えが豊富ということは、消費者の立場から見れば、自分の欲しい商品・サービスが受けられる確率が高いということである。他の全ての条件が同じなら、誰でも品揃えの良い店舗に行こうとする。 ただ、品揃えで他社店舗と差別化することができる業態はそれほど多くはないようである。たとえば、マンガ喫茶が品揃えで他社と差別化できるかどうか考えてみるといい。より多くのマンガが自社店舗にあれば、客は自社店舗にしかこなくなるだろうが、別にある程度メジャーなマンガがあればいいわけだし、マイナーなマンガをたくさん置いたところで、他社店舗と差別化できるわけでもない。それにマンガというものは、大したスペースもとらず、費用もあまりかからない。マンガ喫茶業態で、品揃えで他社と差別化するのはほとんど無理である。 対して家具業界等では、品揃えが高収益の要因となり得る。たとえば、家具一つを展示しようとしたら莫大なスペースが必要だが、このため、家具で品揃えを豊富にしようとしようとすると、超大規模な店舗が必要となる。たとえば、日本最大の家具店舗、大塚家具の有明ショールームは、東京ドームの2.5倍(?)である。果たして、有明ショールームの品揃えに対抗できる家具店舗を作ろうとする業者が現れるだろうか?有明ショールームに対抗できる店舗を作ろうと思ったら、東京ドーム数倍の店舗を作り(借りることもできるが)、そして莫大な量の家具を仕入れ、品揃えを豊富にしなければならない。しかし、それだけではまだ不十分である。なぜなら、巨大店舗を作ったとしても、消費者はまだ、その巨大店舗がどこそこにあるということを知らないからである。なので広告を爆弾のように打ち、その自分が作った巨大店舗がどこそこにある、ということを消費者に知らせなければならない。初期投資がデカ過ぎで大塚家具の真似をしようと思うものは、あまりいないと思う。 C店ブランド 要は、店ブランドとはこういうことである。学校の宿題がわからないA君は、自分の友達B君の兄貴、あるいは自分の友達C君の兄貴に勉強を教えてもらいたいと思っている。B君の家に行くにも、C君の家に行くにも、一回乗ったら200円払わなければならないバスを使わなければならないとする。そしてA君は、B君の兄貴が京大生であることを知っている。このような状況のとき、A君はB君の家に行こうとするだろう。 なぜA君はB君の家に行こうとするのか?それは、B君の家にいけば、質の高いサービスが必ず受けられるからである(B君の兄貴は京大生だから)。C君の兄貴は東大生かもしれないが、千葉大生かもしれない。C君の兄貴が頭が良いかどうかは未知である。もしC君の兄貴が千葉大生だったら、バス乗車料200円はパーである。 たとえば、あなたはマクドナルドに行けば、質の高いハンバーガーが食えることを知っている(あるいは、広告等のイメージ戦略で、質の高いハンバーガーが食えると思い込まされている)。こうような状況であるのに、名もないハンバーガー屋であなたはハンバーガーを食おうとするだろうか?その名もないハンバーガー屋のハンバーガーがうまいかどうかは未知である。もしマズかったら、あなたがそのハンバーガーに対して払った代金はパーである。 だから要するに、京大生の兄貴がいるB君の家はマクドナルドの店舗、C君の家は名もないハンバーガー屋、バス乗車料はハンバーガー購入代金だと思えばいい。店ブランドの概念、わかりましたね。要は『店ブランド』というのは、その店に行けば質の高いサービスを必ず受けられるだろうという消費者の信頼から生まれるもの。 店ブランドが差別化要因になる業態には、ハンバーガー(例:マクドナルド)、牛丼(例:吉野屋)、アイスクリーム(例:サーティワンアイスクリーム)、中古車買取(例:ガリバー)、資格学校(例:TAC)、塾(例:明光ネートワーク)などがあると思う。 (余談) 2003/3/20 恐らくほとんどの人は、これだけの話では「ブランド」の概念、きちんとは理解できないと思う。「ブランド(商標名)」が高収益を作り出すかどうかは、全く事業によりけりで、「ブランド(商標名)」の重要性は、消費者の商品知識・商品評価動機等に大きく依存する。たとえば、ソーダ水(例:コカ・コーラ)購入時のように、消費者の商品評価動機が著しく低い場合(あなたは、ソーダ水購入時に、各ブランドの砂糖の量であるとか、カロリーであるとか、そういったことを考えるか?)は、商品ブランドは大きな価値を持つ。対して、家具や家電などの消費者の商品評価動機が著しく高い商品では、ブランド(商標名)は大した価値を持たない。 消費者の商品評価動機・知識等が違う異業種間で、『ブランド(商標名)』の重要性を同列に扱うのはおかしく、そのようなことをしても得るものないもない(と私は考えている)。結局のところ、個別の業種内で、ブランドの重要性を、それぞれ独立に評価するしかない。 まあとにかく、巨額の広告費等を通して作られた『ブランド(商標名)』が大きな価値を持つのは、基本的に、ソーダ水のように、消費者の商品知識・商品評価動機が乏しい商品を扱っている事業においてである。店ブランドについても同様である。 Dその他 上の4つ以外にも高収益の要因となるものはあるだろう。たとえば、リサイクルショップを営んでいるハードオフコーポレーションは、過去の膨大な商品買取・売却データをもとに、効率的な商品買取価格・売却価格、あるいは買い取って売れる商品/売れない商品の区別を示すデータベースを持っている。ハードオフは、このデータベースを構築するのに10年近く(?)を要している。このデータベースは他社が容易に真似できるようなものではないように思う。他社がもし、ハードオフの真似をしようと思ったら、ハードオフのデータベース以上の効率よいそれを持つ必要があるだろう。しかしこれを作るのは、途方もなく大変である(と思う)。 業態によって、上で挙げた各要因の重要度は大きく異なる。たとえは、コンビニでは立地が最も大事だろうし、中古車買取業では『店ブランド』が最も大事だろう。精度高い事業内容評価をしようと思ったら、各業種を個別に評価していくないだろう(と私は考える)。
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