概要調査重視のメディアと詳細調査重視のメディア

(書き直し途中)

事業調査を行う際は、概要情報→詳細情報の順で調査を行い、詳細情報の評価・分析に重点を置いたほうがよい」、これは私がメルマガで銘柄分析してたときにも気付きましたし、ビジネス・リサーチャーや経営コンサル著の書籍にも似たことが書いてあります。たとえば、新聞の社説などの概要情報よりも、専門家のコラムのほうが役立つことが多いです。

その前に、事業調査とは、どのような性格を持つ調査かを理解する必要があります。次の性格があります。

  1. 調査可能な情報量は膨大(ほぼ無限)にある。専門書、雑誌、業界紙など。あるいは、未調査の情報もある。たとえば、新興事業など、情報など存在しないことも多い。調査会社級の調査を行ったら、いつまで経っても調査が終わらない(調査会社にビジネス・リサーチを頼む際は、期間・費用もかなりかかる)。
  2. 調査で意味のある結論を出すには、複数の情報を有機的に結び付ける必要がある。たとえば、ある会社への投資可否を判断する際、市場規模の情報だけで投資することはできないでしょう。その情報に加えて、たとえば、産業の趨勢や財務情報、競合業界の情報も加味すれることで、より良い投資判断が期待できます。

上記の性格の持つ調査に対して、どのようにアプローチすべきでしょうか?具体的には各種メディア(新聞、雑誌、書籍など)をどのように利用すべきでしょうか?

まず私は、各種メディアは記事執筆の調査方法でカテゴライズできると思っています。具体的には、概要調査重視、詳細調査重視という次元でカテゴライズできると考えています。あるメディアは、これら両極の中間に属します。概要調査と詳細調査の特徴を以下に定義します。

  • 概要調査の特徴
    幅広いテーマについて、広く浅く調査する。そのため、膨大な情報の中から無作為に情報を抽出する性格を帯びる。概要調査で得る各情報の関連性は低い。
  • 詳細調査の特徴
    少数のテーマについてのみ調査する。調査で得る各情報の関連性は高い。

では、事業調査を行う際、概要調査を重視するメディアに頼ると何が起こるでしょうか(多くの人がそうですが)?次の通りとなります。

  • たとえ一定量の情報が集まっても、それら情報の関連性が薄いため、より良い投資判断を行うためには再度情報取得を試みることになる。
  • 再度の情報取得を行っても、概要調査の性格上、より良い投資判断を得る可能性は低い。概要調査は、膨大な情報の中から無作為に情報を抽出する性格を帯びるため、それら情報の中により良い投資判断を補強する情報が存在する可能性は低い。

事業調査で調査コストを抑えるなら、詳細調査を元に執筆した記事を重視すべきなのは明らかです。我々が取得したい情報は投資可否を判断するための情報で、そこに焦点を絞って情報取得を試みるべきです。

では、各種メディアを記事執筆の調査方法でカテゴライズします。

概要調査重視のメディア

速報性の高いメディアほど概要的調査を元に記事が書かれています。要は、時間的制約のため、深堀りした調査など行えないわけです。また、紙面の都合上、掲載する情報量にも制限があります。

たとえば、新聞は速報性を重視するため、概要的調査を元に記事が書かれています。新聞なんて、政治がどうとか、経済統計がどうとか、ほとんど概要的なことしか書いてないです。

稀に(せいぜい1ヶ月に1記事ぐらい)、特定産業の専門家がコラムを執筆することもあります。読む価値があるのは、これらコラムと社長のインタビュー記事(ただ、自分の欲しい情報が記事になっていないことが多い)ぐらいです。

「日経新聞はゴミ箱に捨ててしまえ!」と私がいつも言ってるのは、このためです。新聞など大した役には立ちません。

概要調査も詳細調査も行うメディア

経済雑誌が当てはまると思います。新聞記事よりはマシです。1雑誌に平均1記事弱ぐらい参考になる情報があると思います。雑誌でもフォーブスとかの高級紙がより良いです。より深堀りした調査の元、記事が執筆されているからです。

詳細調査重視のメディア

私が特にお勧めなのは、取材歴ウン十年のジャーナリストの書籍です。調査結果が深堀・体系化されています。速報性はありませんが、今までの話から、これら書籍が事業調査に有用とわかるでしょう。

ジム・ロジャースも「読書は、投資ネタの宝庫」みたいな発言してますが、今までの説明からこの発言の真意がわかるはずです。

図書館をブラついて、気になる書籍があったら読んでみる。調査の取っかかりとしては大変良い方法だと思います。経営コンサル会社が雇うビジネス・リサーチャーにも同じ方法を採用する人がいます。

あとはもちろん、投資候補企業の各種資料(有価証券報告書など)、業界誌(新聞よりも雑誌のほうかよいでしょう)、社長のインタビュー記事です。自分であれこれ調べるよりも知っている人に聞くのがてっとり早いです。その意味で社長のインタビュー記事は大変良いです。

恐らく、最低限の情報だけを速報性を旨とするメディアから取得して、詳細調査重視のメディアから取得したほうがよいと思います。

2012年2月29日

このページの先頭へ