資本政策

会社の経営的な部分で一番重視すべきものは、自分にとっては資本政策です。具体的には、内部留保をROEの高い事業に再投資しているかが一番大事です。

単位株主資本あたりから上がる利益が一定だとし、ある年度で上がった利益をすべて、自社の事業に再投資するとすると、利益は毎年、(1+ROE)倍になります(概念的には)。n年後には利益は、(1+ROE)のn乗倍す。稼いだ利益を不採算な事業(ROEの低い)につぎ込む会社と採算の良い事業に投資する会社では、n年後の利益の差は莫大になります。

また、資本あたりの利益が高い会社は参入障壁の高い事業を営んでいる可能性が高いです。

ただ、見かけ上はROEが高くても、その(見かけ上)ROEが高い会社は、高ROE事業と低ROE事業との複合事業体の可能性もあります。その会社が高ROEの事業で稼いだ利益を、低ROEの事業に投資し続けたら、何が起こるか?この会社の利益は、(1+見かけのROE)倍では伸びません。高ROEの会社を単純に選ぶだけでは不十分で、資本政策も吟味する必要があります。

資本政策がダメな会社には、私は一銭も投資したいと思いません

多悪化は多くの場合で合理的な経営判断

多悪化とは、自社の主事業の先行きが悪くなり、あるいは主事業での利益拡大の見込みがないため、無理に多事業に進出することを指します。たとえば、居酒屋のワタミが介護・福祉事業を始めたり、建設業者が不動産事業を始めるなどです。多悪化の例は枚挙に暇がなく、多悪化を研究テーマにする研究者もいるほどです。

ただ、私に言わせれば多悪化は多くの場合、合理的な経営判断です。要は自社の主事業の先行きが暗いので、多事業に進出するわけです。

私は何百社分の有価証券報告書や事業報告書を読んでいるので分かりますが、多悪化しようとする会社の事業報告書読むと、多悪化について希望的観測が書かれています。希望的観測っぽいことが書かれていたら、私は他がどれほど優れていようと即座に投資対象から外します。あるいは、自分の持ち銘柄の多悪化発表は良い売却サインです。

投資対象会社が多角化を発表したら、その経営方針にリアリティがあるかよく吟味して下さい。希望的観測が書かれていないか?よく吟味する必要があります。

2012年3月3日

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