拡大余地

たとえば、(例1)市場規模が3000億円の市場でA社は売上1000億円とする。すると、A社は売上・利益を3倍にできる可能性がある。しかし、(例2)市場規模2000億円の市場でB社の売上は1800億円だった。B社が売上を2倍にするのは不可能です。残りのパイは200億円しかありません。

拡大余地は、(例1)では3000億円-1000億円=2000億円。(例2)では、2000億円-1800億円=200億円。

もちろん、実際に事業を行う際は競争相手の存在、M&A、新事業開拓、市場規模の成長等、変数は無数にある。しかし、拡大余地を無視すると「この会社は○×年後に売上を5倍に増やす」と荒唐無稽な予測をしがちです。

実際に拡大余地を事業評価で使用する場合はこうがいいでしょう。たとえば、私が投資する際は常に控えめに売上・利益を見積もるので、売上・利益の成長はゼロと考えます(実際に売上・利益の成長率を精度高い見積もり困難で、ほとんど不可能と思います)。

ただ、拡大余地が大きければ、ゼロ成長を維持できる可能性が高いと考えます。たとえば、企業競争激化で薄利となっても拡大余地があれば事業を拡大できて、利益を維持できるかもしれない。そのように考えています。

また、これは重要ですが、拡大余地に乏しい事業を運営する会社は、しばしば事業を多悪化します。本業と関係のない事業を始めがちです。たとえば、市場も拡大せず、拡大余地もない。しかし、企業競争は激化して薄利になっていく。このままでは赤字になり兼ねない。となると、無理にでも多事業に進出するのは合理的です。統計を取った訳ではありませんが、自分の投資経験から企業はそのような行動を取りがちです。

多悪化する企業に投資するのを避けるためにも、拡大余地のある事業を運営する会社に投資するのがいいです。

2013年8月15日

このページの先頭へ