日本でのハイパーインフレの「超超」具体的シナリオ
2015/4/14 加筆・修正
紙幣増発のみでは、ハイパーインフレは起きない。代表例が今の日本。日銀が円札を刷りまくって国債を購入してるのに物価は上がらない。
しかし、今後日本でハイパーインフレは100%起きます。多くの人はハイパーインフレの発生機構を正しく理解してない。
この発生機構は次の3つに分解して考えるのがいい。
- 過剰な紙幣増刷と通貨の信任低下
- 増刷紙幣を消費者が入手する
- 増刷紙幣を直ちに使用するほど消費者が困窮している
ポイントは、紙幣増刷しても、その紙幣が消費者の手元に届かないと、ハイパーインフレは起きない。紙幣がなければ買えないだけで、継続的な高インフレは起きない。
増刷紙幣を消費者が入手して、入手した紙幣を使う必要がある。
紙幣の入手
入手経路に例えば次がある。公務員の給料引き上げ、労組の賃上げ、生活保護費UP、最低賃金UP、政府の失業対策、年金増額。増発した紙幣を消費者は確実に入手する。
代表例が第一次世界大戦後のドイツ。当時のドイツは世界で最も民主的な国家で敗戦国にも関わらず政府の政策で失業率は戦勝国のフランス、イギリスより低かった。また、労組の存在が賃上げに強く影響していた。
あるいは、日本のように消費税増税で生活保護費がUPする場合もある。
紙幣を直ちに使用するほど消費者が生活に困窮している
たとえば、家具が値上がりしても、そんなのを困窮した消費者は買わない。しかし、食料価格が暴騰したらどうか?消費者は必死に買う。買わないと餓死する。
食料価格の暴騰例として、輸入食料品の価格暴騰、物流の機能不全がある。
たとえば、敗戦国の賠償金の支払い(通貨増発)、国家破綻で通貨の信任がなくなると、輸入食料品の価格は暴騰する。食料自給率の低い国には致命傷になる。代表例は、第一次世界大戦後のドイツ。当時のドイツは食料の輸入大国。
物流の機能不全で食料価格が暴騰した例は、ソ連崩壊後のロシア。政府機能の低下や穀倉地帯の周辺国の独立等で物流が機能不全となった。田舎で食料が腐り、都市部では餓死者が出た。
日本で国家破綻が起こった場合は?
日本は食料もエネルギーも自給率が低い。国家破綻や異次元金融緩和の継続で通貨の信任が低下すれば、輸入食料品の価格は高騰し、さらに物流費も上がる。たとえば(詳細に見積もりした訳でないが)、1ドル=200円になれば、食料品価格が1.3~1.4倍になっても不思議でない。
物価が1.3~1.4倍になっても公務員の給料がそのままなら、国家運営に支障を来す。公務員の給料は1.3~1.4倍になる。生活保護費も1.3~1.4倍になる。そうしないと、生活保護費受給者が困窮する。最低賃金も年金も上がるだろう。紙幣増刷が更に必要になる。
しかし、公務員の給料、労組の賃上げ、その他給付金の上昇率は物価上昇率以上とは限らない。というのも国家財政も企業(一部の輸出企業を除く)の経営も苦しいからだ。簡単に言うと、実質賃金が低下する。
実質賃金低下の物価上昇で、消費者は直ぐに物を買うようになる。物価上昇の一原因になる。紙幣増刷が更に必要で、通貨の信任低下に拍車がかかり、物価ますます上がり、だから更に紙幣増刷が必要で・・・・、と悪循環に陥る。
以上の経緯で予測が難しいが、徐々にインフレが加速すると思う。恐らく、数年~15年程度の期間で徐々に高インフレが進行し、気付いたらハイパーインフレ、ということになると個人的には思う
2015/4/14
お気付きの読者も多いと思うが、今の日本にはハイパーインフレの萌芽を明確に確認できる。日銀の異次元金融緩和、円安、それに伴う食料品の値上げ、実質賃金が20ヶ月くらい連続低下、労組の賃上げ、公務員の賃上げ、最低賃金UP。
ハイパーインフレは既に徐々に始まっている。
ただ、ソ連崩壊時のように、急に物流が機能不全になったり、第一次世界大戦後のドイツのように臨時の紙幣大増発(賠償金の支払い)もないので、破綻後に急にインフレ率が1000%になったりはしないと思う。
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2014年7月25日 | コメントは受け付けていません。 | トラックバックURL |
カテゴリー:日本破綻