LNG市場のグローバル化 - The Economist誌記事概説

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米国のサビーン水路(地名)は今まではガス輸入港だった。しかし、シェール・ガス革命で今では輸出港に変貌しようとしている。米国のガス革命を象徴する。

シェール・ガス革命に伴うガス供給多寡でユーロは株価指数算出に際して、エネルギー企業の組み入れ率を調整した。ロシア国営ガス企業ガス・プロムは、世界ガス市場の動向が国内ガス価格に影響することを身を持って知った。

技術進歩に助けられ、ガスの輸送コストは大幅に下がった。たとえば、1950年代はガス価格の1/3は輸送費だった。それが今では5%になっている。

ガス価格はこのまま下がり続けるか?そうとも言えない。巨大LNGプロジェクトには昔に比べて多額の資金が必要になった。建設費用、液化ガスの再ガス化費用、建設資材の値上がり等のせいだ。また、豪国は近い将来にカタールを抜いて、世界最大のLNG輸出国になりそうだが、豪国の人件費は高い。

一方、ガス革命が進みガスの長期供給が保証されれば、ガス購入顧客は契約を見直すだろう。すなわち、現在の主流の契約形態はガス価格は石油価格に連動する、というものだ。この形態が代わり、顧客はスポット価格でのガス購入をするようになるやもしれない。

しかし、米国が発生源となったガス採掘の技術進歩は他国に波及し、ガス価格は下落する可能性がある。そして、ガス市場はグローバル化していく。

英単語

  • regasification
    再ガス化
  • Sabine Pass
    サビーン水路。地名。サビーン湖のメキシコ湾に通ずる出口。
  • one-off
    1回限り。
  • bits
    「わずかな場所」の意で使っていると思う。
  • lead the way
    先頭に立って行く。道案内する。
  • groundbreaking
    草分けの
  • take to
    ~が好きになる、~に専念する

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2013年8月31日 | コメントは受け付けていません。 |

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アメリカ中心の世界景気回復- The Economist誌記事概説

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2013年の世界景気は回復しており、特にアメリカで回復ペースが早まっている。ユーロや日本でも景気はいい。しかし、ユーロ、日本、及び中国の経済成長には懸念がある。

ユーロについて。アメリカと比べて、金融機関の不良債権処理が進んでおらず、企業への貸出が弱い。イギリスでは企業の設備投資が進んでいない。

日本について。日本のGDP成長率は2013年第一四半期は3.8%であったが、第二四半期は成長率が落ちている。また、阿部首相は威勢のいい経済政策を声高に叫ぶが、規制緩和は進んでいない。お米やヘルスケア産業等の既得権益の改革には取り組んでいない。

中国について。行き過ぎた与信拡大に伴い金融不安が発生し兼ねない。いざとなれば膨大な外貨準備で不良債権を処理できるが。

一方、アメリカは(サブプライム危機時と比べて)個人債務も大幅に減った。また、シェール・ガス革命でエネルギー・コストも下がった。これからの経済成長は、アメリカが牽引しそうだ。

英単語

  • gather pace
    速度を増す。勢いが増す。

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2013年8月29日 | コメントは受け付けていません。 |

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債務超過疑惑の中国国営系資産管理会社が上場を検討中- The Economist誌記事概説

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中国は1990年代に多くの国営企業を閉鎖しました。理由は、これら企業が返済見込みが厳しいのに銀行から多額の融資を受け、銀行が不良債権を抱えてたためです。放置すれば、金融危機に発展しかねなかった。

中国政府は不良債権処理のために、4つの資産管理会社に、不良債権を引受させました。しかし、不良債権処理は進まず、返済繰り延べが続いている状態です。これら資産管理会社は「債務超過」との意見もあります。

なんと、これら債務超過疑惑の会社は、他の金融事業も手がけています。保険、投資信託の管理、商品取引の仲介等です。そして、4つのうちの1つの中国Cindaアセットマネジメント株式会社は香港市場への上場を検討しています。増資をして、債務超過は解消されたやもしれませんが、不良債権をどれほど抱えているか不透明です。

英単語

  • Non-performing loan
    不良債権(返済がかなり遅れる債券の意。完全に返済不能な債権はbad loanと呼ぶ)
  • Lipstick on a pig
    (諺)ブタに口紅「ブタのように醜いものを綺麗に見せようとしても無駄に終わる」

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2013年8月28日 | コメントは受け付けていません。 |

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インド経済の苦境(2)- The Economist誌記事概説

The reckoning

インドの通貨ルピーが最近急落しています。インドの外貨準備高は、2790億ドルですが、インドの経常赤字+1年あたりの借款債(?)は、2500億ドルです。つまり、外貨準備高に余裕がありません。

インドの外貨準備高/(インドの経常赤字+1年あたりの借款債)の値は、約1.1です。たとえば、中国は8以上。ブラジルは約2です。他の新興国に比べて、指標的には通貨危機のリスクが高いと言えそうです。

また、インド国債のほとんどはルピー建てで、インド政府がすぐに破綻する事態は想定し難いです。ただし、外貨建てで借金をするインド企業にとっては、ルピー安は大きな痛手です。

そして、インド国民はルピーに不信を持っているそうで金の輸入をするそうです。そのため、政府は金塊の輸入に高額の関税を課しています。

インフレ率も10%程度もあり、通貨の信任が揺らいでいます。

英単語

  • from one ~ to another
    ~によって
  • rule out
    無視{むし}する、除外{じょがい}する、排除{はいじょ}する、~を読めないように線で消す
  • reserves
    外貨準備高(?)
  • Residual maturity
    the remaining time until the expiration or the repayment of
    the instrument.
  • current account
    経常収支
  • margin for errors
    marginは利幅の意で、errorsば損失の意。
  • hit the big time
    成功{せいこう}する、一流{いちりゅう}になる、大当たりする

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2013年8月28日 | コメントは受け付けていません。 |

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インド経済の苦境 – The Economist誌記事概説

How India got its funk

インド経済が1991年以来の苦境に喘いでいるそうです。公定金利もリーマン・ショック以来の高さとのこと。また、インド政府の最近の単年の債務残高増加幅は、GDP比で10%に達するそうです。

インドは、1991年の経済危機の際に構造改革を試みましたが、中途半端に終わっています。官僚主義や旧態依然の反対勢力が邪魔になったとのこと。市場の自由化、労働法の改正、規制緩和が進んでいないとのことです。たとえば、インドでは石炭業と鉄道が国営らしいです。

インフラ設備も遅れており、電気不足も経済成長の足枷になっている。

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2013年8月27日 | コメントは受け付けていません。 |

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今、世界で一番有望な株式投資市場はロシア

10月頃に増資しますが、ロシア株を購入したいと思います。自分が調査した範囲では、ロシアが投資市場として最も有望。あとは、中国もいいですね。為替面もいいし、株式も割安です。

為替リスクについて

ロシア投資すれば、為替リスクがあります(まあ、長期的には円安・日本財政破綻なんで、為替リスクを論じる意味はあまりありませんが)。で、ロシアの輸出品の7割が鉱物性燃料(石油・ガス等)です。

自分が石油価格に強気なことは本ブログやメルマガに書きました。第三者的立場の専門家の予測は、2020年の原油価格は150~250ドル/バレル。また、シェール・バブルが近々崩壊するのも周知の通りです。シェール・バブル崩壊については、後で記事を投稿します。

つまり、貿易収支の黒字拡大の可能性が極めて高い。ルーブル増価の要因となります。

次にロシアの政府の債務残高。残高はGDP比で約10%です。日本がGDP比200%以上なのと対照的です。ロシア政府は資源企業に重税を課しています。債務残高が低い中央政府が資源マネーで潤えば、減税やインフラ投資も実行しやすいです。経済にもプラスです。

ロシアの株式市場

市場平均のPERが6~7倍だったと思います。極めて安いです。

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2013年8月25日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:投資

【その3】アベノミクスで財政破綻が前倒し。預金封鎖へ。

(事前に【その1】【その2】を読んで欲しい)

前回の記事では、無制限の日銀国債買取り→諸外国が円を信用しなくなる→急激な円安→日本人も円を信用しなくなる→日本人が円をドルに両替する、のシナリオを説明した。なお、ロシア危機でも韓国の通貨危機でも自国民が自国通貨をドル換えたのは周知の通り。

では、この次は何が起こるか?やはり、預金封鎖しかないと思う。日本人のドル/円両替が進めば銀行は経営破綻する。そのため、預金封鎖が起こる。預金封鎖後は、毎月の引出しは○×万円までと制限され、そのうち新円に切り替わる。どこかのタイミングでIMFの管理下に入る。

この意味で国債暴落はないかもしれないが、新円切り換えで政府の借金はチャラになる。日本人は困窮する。

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2013年8月17日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:日本破綻

通貨投資で儲かる機会は限られている

通貨の価値について論じたが(その1その2)、個人的には通貨投資で確実に利益を上げる機会は、そうは多くないと思います。(1)国の財政破綻、(2)固定為替相場の崩壊、(3)中央銀行の利上げ/利下げの緻密な分析は収益の機会を提供しそうですが、(1)と(2)は常にある訳でありません。(3)の分析を行っても収益機会が明らかとなるとは限りません。

自分の今までの経験に照らすと、為替投資が収益を産む機会は、10年に2~3回程度の頻度な気がします。

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2013年8月16日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:投資

通貨の価値とは?常識的通貨理論の根本的誤り(2)

前の記事(これ)で物価で通貨の価値を論ずる問題点を述べた。要するに、貿易実務者が消費者物価で為替を評価すると誤った結論を導く恐れがある。調べてみると、輸入物価指数、輸出物価指数なる指標が既にあった。貿易実務者のためと思われる。


(1994年からの輸出物価指数の推移)
http://www.iist.or.jp/wf/magazine/0862/images/figure9.pdf

この表を見ると1994年→2012年で、輸入物価は1.6倍、輸出物価は0.5倍になった。もちろん、この期間、消費者物価は横ばい乃至下降である。為替レートを消費者物価で説明するのは無理がある。

では、輸出入物価で為替レートを評価すればいいか?そうとは言えない。まず、輸出入物価は輸出入数量を示さない。物の値段と数量は別次元の話。

次に物価の算出について。まず、物価指数の算出法には、概ね次の2種類があるようだ(計算式については、http://www.stat.go.jp/data/cpi/4-1s.htmを参照)。

 
 

ラスパイレス方式(Laspeyres formula)

物価算出時の各商品価格への重み付けが基準時点のままなので、不正確になりやすい。たとえば、基準時点が1995年で同年の日本の総輸入額は50兆円、石油の輸入額は5兆円とする。石油の重みは5兆円÷50兆円=10%である。ここで、石油の輸入額が4倍に急増したとする。

しかし、この方式だと石油の重みは10%のまま。重み付けは5年毎に人為的に見直す。

パーシェ方式(Paasche formula)

重み付けを毎年再計算する。ラスパイレス方式より正確(だが手間がかかる)。たとえば、先の例だと石油の輸入額が4倍になったら、その分だけ輸入物価への寄与も大きくなる。

 
 

なお、日銀のHPによると日銀はラスパイレス方式を採用するようである。なぜ、わざわざ不正確な算出法を使用するか?日銀曰く「パーシュ方式だと、毎年の各商品の価格、数量のデータが必要で手間がかかる」。また、外国が日本と同じ算出法とは限らない。

次に経済統計の正確さに問題がある。中国の経済統計が不正確なのは周知の事実だが、同じことは他の経済指標にも広く一般に言える(→ここを参照)。たとえば、IMFによると、1995年の香港の対米輸出は378億ドルだが、米国の香港からの輸入額は107億ドルである。二つの数値は一致する必要があるが、著しく値が異なる

このため、香港ドル-米ドルのレートの歴史的推移を香港・米国の輸出入物価で説明するのは信用に値しない(最も、為替レートを物価の騰落で説明するのが無理な話だが)。同じことが他のレートにも言えそうである。

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2013年8月16日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:経済

通貨の価値とは?常識的通貨理論の根本的誤り。

教科書的説明では、通貨は物価騰落と密接な関係を持つとする。為替レートを物価騰落で論ずる人も大変多い。また、購買力平価説を根拠とした「ビッグマック指数」や「iPad指数」の通貨の”割高/割安”指標ある。しかし、これらは無視して構わない。

従来理論で為替レートを論ずると様々な問題が生ずる。以下に例を示す。

 

外国で移民流入→家賃上昇→物価上昇で通貨の価値は変わるか?

たとえば、2000年代の米国や近年のオーストラリアでは、移民の流入・人口増加で家賃が上がった。家賃Upのインパクトは大きいので、物価は上がった(簡単のため、家賃以外の価格は一定とする)。

 

伝統的通貨理論では物価が上がると通貨の価値は下がる。しかし、ドル保有者のドル購入目的は、米国で物件を借りるのが主でないだろう。米国の物価が上がっても、保有ドルで購入可能な商品の量は変わらず、ドルの価値は棄損していない。

 

現在、ブラジルで野菜価格急騰で物価が上がっている。レアルの価値は棄損するか?

レアル保持者はブラジルの野菜が買いたい訳ではない。野菜価格急騰で物価が上がっても、レアルの価値は変わらない。

 

明日突然、サウジアラビアで原油がなくなったら、サウジの通貨リヤドはどうなるか?

もちろん暴落する。サウジには石油産業以外に大した産業がない。リヤド保有者の保有目的は、主に石油の購入のはずである(ドル建てが多いかもしれないが)。その石油がなくなれば、リヤドは紙クズになる(もし変動相場制なら)。

 

中国で軍事クーデターが起こって、外国企業の排除を始めたら?

人民元は暴落する。元はなぜ買われているか?理由の一つに事業目的がある。中国の安い人件費で安価に商品を生産すれば利益が増える。しかし、軍事クーデターで事業継続困難になれば人民元を保有する意味はなくなる。

 

結局、通貨の価値は、通貨でどのような商品・サービスが購入できるか?富を生み出せるか?で考えるべきと思います。ただ、この際に大事なのは、あくまで通貨保有者(外国)の立場でです。

実際、為替レートは金利差との連動性が高く、資源国の通貨は資源価格との連動性が高いです。たとえば、米国短期国債金利(だったと思うが)と円ドルレートの連動性は非常に高い(時期があった)。家賃費、エネルギー価格UPの影響を米国の物価から除くと、米国も日本も物価騰落は横ばい乃至下降です。少なくとも騰落率に大差はなく、物価は長期安定している。

円でもドルでも大体同じ量の商品・サービスを購入できる。なら、金利差に連動して、円ドルレートが変動して当然です。資源国通貨が資源価格との連動性が高い原因は説明不要でしょう。

(本記事は後日拡充します)

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2013年8月14日 | コメントは受け付けていません。 |

カテゴリー:経済

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