低PER銘柄は、高PER銘柄よりもハイリターン

2001/1/29

(注) 一番右の棒グラフの「All Stocks」は、市場平均のリターンを表しています。

低PER銘柄は、高PER銘柄よりもリターンが高い。過去40年分以上という莫大な量のデータがこれを証明している。図をみればわかるように、低PER銘柄で構成されたポートフォリオほどリターンが高くなる傾向がある。しかし、注意点もある。最もPERが低い銘柄からなるポートフォリオのリターンは、幾分低くなる傾向がある。果たして、これは何を意味するのか?次に、下図を見て欲しい。

 「ある年の既に確定している実績でもってPERの低い順に銘柄をランクわけし、そのランク付けを一年毎に見直して、銘柄入れ替えをする。」という方法で、「最もPERが低い50銘柄を、100%機械的に下から買う」戦略のリターンは評価されています。

 

上図は、「最もPERが低い50銘柄を、100%機械的に下から買う」戦略がどれくらいのリターンを上げるかを示したものである。1951年に、インデックスに1万ドルを投資して、それを1996年までバイ・アンド・ホールドすれば、その資金は約267万ドルになるが、「最もPERが低い50銘柄を、100%機械的に下から買う」戦略だと約212万ドルにしかなっていない。つまり、この戦略ではインデックスを上回ることはできない。なぜ、この戦略ではインデックスを上回ることができないのか。

順位 銘柄名 予想PER 順位 銘柄名 予想PER
1 井上工 0.263 11 有楽地 2.566
2 観光館 0.350 12 豊商事 2.578
3 サクラダ 0.587 13 気化器 2.736
4 京都ホ 0.640 14 兼松 2.765
5 アバンライフ 0.880 15 佐藤工 3
6 テイヒュー 1.021 16 SEED 3.048
7 京都近鉄 1.247 17 ユアサ商 3.103
8 日邦産業 1.996 18 オリコンサル 3.240
9 オリカ 2.154 19 一パン 3.258
10 太陽毛 2.263 20 フジトミ 3.325

上図は、全上場企業のPERが最も低い20銘柄を下から選んだものである。この図に載っている会社を四季報などで調べてもらえわかると思うが、これらの会社のほとんどは、借金まみれで業績が著しく不安定な企業である。このような財務体質が優れていない業績が不安定な企業というのは「低PER」でも正当化されてしまうのである。「借金多いか少ないか」で銘柄を選別することの利点には、こうした企業をスクリーニングから外す、ということも含まれるのである。

そして、「最も低いPER銘柄のグループ(つまり「1」のグループ)」には、このような「財務体質が優れておらず、従ってその結果として、低PERであっても市場平均を上回れない」企業が多数入っているにも関わらず、グループ全体としてはインデックス以上のリターンを上げている。つまり、このような「財務体質が優れおらず、業績が不安定である」企業を、私がよく言っている「借金多いか少ないか」などという条件で排除した後の「グループ1」のリターンはかなり高くなるはずである。

以上の議論を踏まえると、低PER戦略はかなり有効な方法だと言えるが、「銘柄スクリーニング時に、財務体質の優れない業績が不安定な企業を外すのが必須である」ということも忘れてはいけないようである。

(注)左のランキングは、実績PERではなく、予想PERでのものですが、要するに、「PERが極端に低い企業には、財務体質の優れていない、業績が著しく不安定な企業が多数含まれる」ということがわかって頂けばと思います。100%機械的な低PER戦略でも市場平均を上回ることは可能です。しかし低PER銘柄をさらに、財務の良し悪しでスクリーニングすれば、得るリターンはもっと高くなるでしょう。『財務の良し悪しで銘柄をさらにスクリーニングする』、このわずかの努力ぐらい面倒がらずやられてみて下さい。これを面倒がる人は大して儲からず、これをきちんとやる人は儲かるのです。全く同じことが、綿密な企業調査をするか、しないかにも言えます。

2012年1月22日

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